IDAの75の融資適格国の譲許的資金に対するニーズは極めて切実です。しかし、ドナー国が合意して決定した金額の融資は、各国のニーズにはるかに及ばない傾向があります。そのため、IDAは限りある財源を融資適格国間で配分しなければなりません。これは主に、貧困削減に最も貢献する分野に資金を集中させるために、借入国の政策面での実績と制度面の能力に応じた配分によって行われます。
融資適格国に使途を限定されない支援を提供する国別配分はIDA20の利用可能な資金の3分の2を占め、IDA支援の基盤となっています。IDAの残りの支援は、特定の優先分野への対応に特化した資金ウィンドウを通じて提供されます。
適格性
IDA資金借入れの適格性判定にあたっては、以下の2つの基準が用いられます。
- 一人あたりの国民総所得(GNI)として定義される相対的貧困が、設定された基準(毎年更新、2024年度は1,315ドル)を下回っていること。
- 市場条件で借り入れるだけの信用力がなく、そのため開発プログラムに必要な資金を調達するために譲許的資金が必要であること。
配分基準
融資適格国間のIDA資金配分を決定する主な要素は、経済成長と貧困削減の促進に向けた各国の政策の履行実績です。これは国別政策と制度評価(CPIA)(英語)によって評価されますが、CPIAは資金配分の目的上ではIDA資金配分指標(IRAI)と呼ばれています。IRAIとポートフォリオ実績がIDA国別実績格付(CPR)を構成しています。またCPR以外に、人口と一人あたり所得もIDA配分を決定する要素となります。2005年から、CPRに加えてIRAIの数値も開示されています。
パフォーマンス・ベースの配分(PBA)は、人口と一人あたり所得がCPRとともに考慮されます。PBAプロセスの詳細については、IDA第20次増資報告書の附属書3(英語)を参照してください。PBAはIDA19から、脆弱性・紛争・暴力(FCV)のリスクに直面する国々に資金配分される新たなエンベロープによって補完されています。
IDAの資金ウィンドウ
IDAは、5つの専用の資金ウィンドウと再融資を通じて、各国に追加資金を提供しています。各ウィンドウには、それぞれの規則と適格基準が定められています。詳細は、IDA第20次増資報告書の付録(英語)を参照してください。
- 地域ウィンドウ:開発課題に対する地域戦略を促進。
- 危機対応融資制度:IDA融資適格国の自然災害や経済ショックや公衆衛生上の緊急事態に対する対応能力を強化。
- スケールアップ・ウィンドウ:状況を大きく変えるようなプロジェクトにさらなる資金を必要としているIDA融資適格国に、非譲許的条件で追加の資金を提供。難民・受入コミュニティ向けウィンドウ:IDA融資適格国における難民と受入コミュニティの両方に対し、開発目標達成への取組みを支援。
- 民間セクター・ウィンドウ:脆弱性・紛争の影響下(FCS)にあるIDA融資適格国を中心に、さらなる民間セクター投資を動員。
最終更新日: 2024年4月23日