IDA第18次増資(IDA18)の一貫として、世界銀行グループ(WBG)はIDA融資のみに依存している国、特に脆弱・紛争国(FCS)にさらなる民間投資を呼び込むため、IDA18の一環として、25億ドルの「IDA-IFC-MIGA1 民間セクター・ウィンドウ(PSW)」を創設しました(実施のための理事会文書(英語)をご覧ください)。このファシリティはIDA第19次増資(IDA19)の下、同等の資金レベルの25億ドルで継続されています(提案書をご覧ください)。PSWの根底にあるのは、持続可能な開発目標(SDGs)達成には民間部門が中心的な役割を果たすという認識であり、影響の大きい民間部門投資の不確実性とリスク(実際のリスクと知覚リスクの両方)の削減を支援する必要性です。PSWは、商業的な解決策がなく、世界銀行グループが行う他の方法やアプローチでは十分に対応できない場合にとられる選択肢です。
世界銀行グループのツールにPSW2 が加わったことで、IDAは公共政策と民間投資の両方を活用する活動をさらに深められるようになりました。PSWは、市場を創出し、民間投資家を動員することで困難な開発課題に取り組むことを目指すIFC 3.0戦略と、IDA借入国に焦点を合わせたMIGAの戦略の主要な柱となっています。PSWは、世界銀行グループがIDA諸国の民間セクター投資に提供している強力な支援の上に築かれており、その額はこの10年間で1千億ドルを超えています。PSWは、IFCとMIGAのビジネスモデルと借入国との関係を活用することにより、IDAが公的資金を戦略的に使って困難な開発課題を抱える市場にさらなる民間投資を呼び込む機会を提供するとともに、政策とビジネス環境の改革に対するIDAの既存の支援を補完しています。
PSWは、4つのファシリティを通じて実行されます。
- 現地通貨ファシリティ(LCF)
資本市場が発達しておらず、市場を通じた解決策を十分に利用できない国において、IFCを通じた現地通貨建てによる長期投資を提供 - ブレンド・ファイナンス・ファシリティ(BFF)
PSWを通じた支援を開発への影響が大きいセクター(中小企業、アグリビジネス、保健、教育、手頃な住宅、インフラ、気候変動の緩和、気候変動適応等)に対するIFCの先行投資とブレンド - リスク削減ファシリティ(RMF)
大規模なインフラ案件やIFCが援助する官民連携(PPP)に民間投資を呼び込むために、国家補償なしに対象となるプロジェクトに保証を付与 - MIGA保証ファシリティ(MGF)
再保険に類似した一次損失分担とリスク参加によってMIGAの保証範囲を拡大
PSWは投資を促進しますが、民間投資に資金を供与することはありません。PSWは様々なファシリティを通じて、IFCの投資やMIGAによる保証を支え、あるいはブレンドすることにより、民間セクター投資を支援しています。投資提案をお持ちの投資家の方は、該当するIFC・MIGAのカントリーオフィサーまたは投資オフィサーにお問い合わせの上、IFC及びMIGAのエンゲージメント・プロセスに従ってください。承認済のPSWプロジェクトの一覧はこちらからご覧いただけます。
PSWとそのファシリティに関する質問は下記にお送りください。
- PSW全体について:Federica Dal Bono, Lead Strategy Officer, World Bank, fdalbono@worldbank.org
- リスク削減ファシリティについて:Juan Carlos Pereira, Principal Investment Officer, IFC, jpereira@ifc.org
- 現地通貨ファシリティについて:Kevin Kime, Principal Financial Officer, IFC, kkime@ifc.org
- ブレンド・ファイナンス・ファシリティについて:Kruskaia Sierra-Escalante, Manager of Blended Finance Unit, IFC, ksierraescalante@ifc.org
- MIGA保証ファシリティについて:Nabil Fawaz, Operations Manager, MIGA, nfawaz@worldbank.org
[1] 国際金融公社(IFC)は、途上国の民間セクターに注力する最大の国際開発機関であり、民間セクターの発展を阻害している重大な要因に対処する助けとなる資金、知識、パートナーシップを提供、動員しています。多数国間投資保証機関(MIGA)は、経済成長、貧困の削減、人々の生活水準向上を支援するため途上国への海外直接投資(FDI)を促進しています。
[2] ダウンロード「IDA民間セクター・ウィンドウとは?」(英語、PDF)