2011年12月8日、世界銀行理事会は、危機発生時にIDA被支援国が自国に対するIDA投資プロジェクト未実行残高の5%を上限とする融資を迅速に得られるようにする新たなメカニズムを承認しました。小国や未実行残高の少ない国の場合、融資額の上限は500万ドルです。
この即時対応メカニズム(IRM)は、IDA国に対し、緊急事態の発生から数カ月ではなく数週間以内に財政支援を提供することにより、他の長期的な緊急時対応ツール(危機対応融資制度など)を補完するものです。既存あるいは将来の特定の投資プロジェクトに緊急時対応の要素を取り入れることにより、融資の迅速な実行が促進されます。
危機的状況、特に自然災害や経済ショックなどが発生した場合、IDAは、脆弱層への影響を緩和するセーフティネットの発動や拡充、基本的な物的資産の修理・復旧、保健や教育など重要な開発支出の保護、経済活動活性化のためのプログラムの設置など、復旧活動を支援するための即時融資を提供します。IRMは、危機対応計画や災害リスク軽減に関するIDA借入国との追加的な対話の場ともなります。
IRMへの各国の参加は任意です。この新メカニズムを通じた資金調達に関心があるかどうか、IDA国別局長が早い段階でパートナー政府に意見を求めます。