気候変動は、短期間で確実に貧困撲滅への取組みを脅かします。このため、気候変動と貧困撲滅を切り離して考えることはできません。気候に関する情報を踏まえた包摂的な開発を直ちに進めなければ、2030年までにさらに1億人以上が貧困に陥る可能性があります。(「アルファベットでみるIDA:気候変動」をPDF形式でダウンロード)
IDA対象国は、気候変動がもたらす衝撃に脆弱で影響を受けやすい傾向にある一方で、気候や災害のリスクから自国の経済やコミュニティを守る適応力が充分に備わっていません。このため気候変動対策は、IDAにとって喫緊の優先課題となっています。
IDAは、例えば、より正確な気象データや予報、干ばつに強い作物、新しい手法を用いた災害保険、暴風雨に耐えうる住宅や警報システムなど、新たな解決策をもたらすことで、気候変動に対する各国の取組みを支援しています。
また、太陽光・風力・水力を利用した発電、水や農薬を減量し改良種を使った農耕、産業の効率化と持続可能性の改善を通じた炭素排出量削減といった革新的な方策を見出すことで、気候変動の緩和においても各国を支援しています。
IDAはまた、気候変動と防災についての分析や技術協力にも力を注いでいます。すべてのIDA対象国の戦略には、気候変動と防災の要素を盛り込んだ国別開発課題と優先分野の分析が義務付けられています。
気候変動への対応は最も困難な課題の一つですが、IDAの支援は成果を上げています。
例えばミャンマーでは、新たに完成したコンバインドサイクル・ガスタービン発電所により、2018年には、1出力あたりのCO2排出量が400gCO2eq/kWh削減されました。またニジェールでは、110万人が洪水防御と持続可能な土地と水の管理活動の恩恵を受け、自然災害に対する耐性が高められました。
これらは、IDAが気候変動分野で達成している成果のほんの一例に過ぎません。このページでは、IDAの取組みの成果を国別に紹介しています。この他のIDAの成果については、各国の主な成果、ならびにジェンダー、ガバナンス・組織制度の構築、脆弱性・紛争・暴力、雇用と経済的変革、の各ページをご覧ください。